*破妖語集*
【ア行【カ行【サ行【タ行【ナ行【ハ行【マ行【ヤ行【ラ行【ワ行
ア行
- ■赤い柱
- 柘榴の君に封じられた黄呀が、結界からの脱出のために、封印の48本の柱を利用して
生贄の少女を生き埋めにした柱。礎石には同化した少女の顔が浮き出ている。
- ■異界樹
- 界と界の境、界境とも呼ぶべき異空間に稀に種子状で見い出される異形のモノ。
それがなんであるかは不明。魔力と生命力を糧に育つ、外見が樹木に似ている事から命名。
- ■影糸術
- 紫紺の君の得意とする人形作りの術のひとつ。
人のあらゆる方向にできる影のひとつを奪い、核としてその人物の動く人形をつくる。
記憶、魂すべてが人形に映されると完成し、造り主に絶対服従する。
作成途中に本人が人形を破壊するか、術者を倒さない限り解く事はできない。
他に鏡移術もあり。一度失敗すると同じ対象には掛けられない。
- ■黄金の柘榴亭
- ランティスの王都ティンダにある食堂兼宿屋。シェンツァー・リーウェンが
迷子になる前にいた場所。その名前には闇主も
- ■オガリス神皇国
- 大陸の東南に位置する海に面した国。神皇家が治める。魅縛師が行方不明になる事件が起きた。
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カ行
- ■カガ杉
- 世界に広く知られる北方でしか採れない杉。木目の細やかさ、頑丈さ、
美しい色合いで有名。クーダル帝国皇宮の扉にも使用されている。
- ■陽炎の鏡
- 白焔の君がその炎で作り出した気に入りの千里眼の力を持つ鏡。
- ■カシュラ国
- 大陸西南にあるさほど大きくない国。ウルガの故郷が在る。
- ■カヌ
- サリダン国境付近の街。カラヴィスに向かう途中ラスが泊まった。
- ■カラヴィス公国
- ガンダルース大陸の大国のひとつ。
代々魔性好きのする美貌を持つ公族で、長女は紫紺の君に、長男は紫紺の配下に狙われる。
次女であるリーヴィは魅縛の力を有しており、浮城に籍を置く。紫紺の息子・邪羅とは親しい。
- ■カリリア国
- セスランがこの国の東南に在る岬に事件の調査に出向いた。
- ■ガンダル・アルス
- ガンダル神が作ったこの物語の世界。
この世界には、人間や動植物のほかに、
不思議な力を持った魔性という存在があり、人々に脅威をもたらしている。
- ■ガンダルース大陸
- ガンダル・アルスにある大陸のひとつ。
この物語はこの大陸が主な舞台。大小様々な国々が存在している。
- ■古王国ガンディア
- 大陸南西に位置する屈指の大国。浮城に経済援助をしている国のひとつでもある。
王都はヒスリア。「青月の宮」と呼ばれる美しい宮殿を持つ。
王妃である元浮城の捕縛師のミランスが対魔性用の結界をはっている。
- ■共鳴関係
- 互いに存在することによって、互いの力を増幅させることのできる魔性の関係。
この関係に在る者たちは片方が死ぬと力が弱まる。
- ■金砂海
- 大陸東南に位置する砂漠のみが広がる島。正確には島と大陸の中間の地。
乱華が金砂宮を建てた場所。
- ■金砂宮
- 空に作られたラスを閉じ込めるための空間。何者の侵入も拒んでいるため、
結界で気配を断ってある。下は日の光を反射して金に輝く砂海。
- ■空球
- 空間に闇の球体を作り出し、そこに別の場所で起きていることを伝えることができる魔性の力。
亜珠が別の場所で起きていることを、別の空間に存在する者に見せるために用いた。
- ■クーダル帝国
- 大陸西南にある帝国。首都はルヴァス。始祖王はドラーダ。
- ■クーダル帝国軍精鋭部隊竜操騎軍
- 鎖縛がアークローム殿下として所属していた部隊。
- ■クエラ
- 移動用の動物。竜よりは幾分小柄の爬虫類。竜程でないにしろ、かなりの持久力と速さを持つ。
- ■紅蓮姫
- 何十年も前に作られた浮城最強の破妖刀。
意志を持ち、魔性の命を糧にする。気に入らない主人を死にも追いやる。
わがままで貪欲な美食家。最初の主人だったラキスとは恋人同士。
- ■ケーヴァ
- サティンが鎖縛に攫われた街の別名。ささやきの行方ではサルヴァ。
- ■結界
- 外敵からの攻撃や侵入を防ぐためのシールド。強い魔性は
相手に気づかれないためのより高度なものも造りだせるが、人の内にもこれを造れる者がある。
- ■月晶華
- 20年前破妖剣士と共に戻ってこなかった破妖刀。ウルガが浮城へ
持って帰った。
- ■ケッセ山
- サンザに在る山。ケッセの神域の泉は、一度でも自らの手を
汚し者が触れればたちまち命を落とすといわれる。
- ■虚空城
- 界と界、闇と闇の狭間に作られた柘榴の妖主、千禍の居城。
闇主が部下共々自らの手で破壊した、今ではただの虚空。
- ■琴
- リーヴィが自らの髪の毛を弦に用いて使う魅縛道具。
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サ行
- ■サルヴァ
- クーダル帝国直轄領の街。サティンが鎖縛にさらわれた街。
翡翠の夢1での表記はケーヴァ。
- ■ザン
- メレディア国より西の自治都市。セスランが妖鬼退治に行った。
- ■サンザ
- カシュラ国の外れに在る辺鄙な田舎町。緑林棟が在る。
- ■シェスカリの街
- チェ・ササンの地方都市。逃亡中に闇主とラスが立ち寄った街。
- ■漆黒城
- 闇で築かれた王密の君の配下・亜珠の城。
- ■守護者
- 魔性がその幾つかの心臓のひとつを分けて、自らとは正反対の性格を持つ
分身を作って本体を守護する者。
- ■小鬼
- 魔性の内、最弱な魔性。
力がないので、容姿も化け物じみている。心臓はひとつに1個の命を内包。
人肉を好み、思考能力が劣る。
- ■白木の礫
- 散叉が浮城の氷室から盗んだ封魔具。中には衣於留が眠っていた。
- ■シレイル
- クーダルより当方の地。この地方で作られた独特の図柄の絨毯は
シレイル絨毯といって帝国で用いられる程高価。
- ■城長
- 魔性の脅威から人々を救う組織、浮城の最高責任者。が、
全ての権限が与えられているわけではない。
- ■白砂原
- ガンダルース大陸の中心に位置する希有な白砂の砂漠。中心に浮城が存在する。
地下には水脈が流れる。
- ■心臓
- 人間の心臓と違い、魔性のそれは、命の詰まった力の源。
場所も身体のどの部分にあるかはそれぞれ違う。
上級である程心臓の数も多く、そのひとつに詰まっている命の数も多い。
ただし、強さの基準が魂の数に比例するわけではないので、
必ずしも命が減ったからといって弱くなるとは限らない。
また、一度心臓が破られると入っていた命は気体のように出ていってしまうが、
人間や魔性の間で命の交換や別の容器への保存が可能でもある。
- ■翠潭宮
- 翡翠の君のひとり、翡蝶の居城。主人の夢に意識を重ねる事ができない者は
入れない。
- ■翆夢鏡
- 翡翠の石鏡。翡翠の君の使う遠くの出来事を見通す鏡。
- ■青月の宮
- ガンディアの王都ヒスリアの四方に建てられた物見の塔の中央に位置する白亜の建物。
外壁と床は混じり気のない白大理石。内壁は白磁のタイル、天井は陶製の淡い青のタイル
で出来ており、月の光によって青白く輝く。
- ■星紅玉
- 茅菜がラスに与えたお守り。ラスは紅玉を耳にはめ込み、双子石の指輪をはめたシルヘとを繋いだ。
- ■ゼラス王国
- 世界でも五指に入るほどの大国。浮城への経済的援助をしている国のひとつ。
自治都市ユラクと国境が交わる。
- ■セレトの街
- この街の下町に身寄りを亡くして彷徨っていたラスを引き取った家があった。
- ■セレマ
- 自治都市ザンの近くの街。セスランを探しにラスが行った。セスランの祖母が治めている。
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タ行
- ■チェ・ササン
- 海に面して細長く伸びた大陸最東の中堅国。特異能力を持った浮城にとって有益な人材を多く
排出しているため、また、そこにおける発言権もかなり強い。貿易が盛ん。
- ■ツーリン
- クーダル帝国からは遠い交易都市。鮮やかで味わい深い色を出す染料を扱っている。
主にこの染料で染めた糸を使ってシレイル絨毯を作る。
- ■冷たい清水
- 白砂原の地下水脈から汲み取った美味な水。
サティンが好む。
- ■ディアン茶
- 彩糸がリーヴィとサティンに出したお茶。リーヴィはこれにアカシア密を入れる。
- ■ティンダ
- ランティスの王都
ラスの時代には既に滅亡していた。
- ■鉄鎖
- 昔柘榴の妖主が鎖縛を捕らえ、身動きを封じるために用いた赤と黒が斑になった
細く華奢な鋼の鎖。
- ■デュリーンの街
- 大陸北の地方。ラスの偽者が事件を起こした場所。
- ■転移門
- 瞬時に別の場所へ移動できる門。浮城から世界の五大国の国境付近へと繋がっている。
実際は護り手とならなかった浮城に籍を置く魔性の力によって動いている門。
使用に際して浮城の人間の波長が必要。付近には下級魔性を寄せつけない磁場が在る。
- ■時の迷宮
- 柘榴の君が作った時間の迷宮。
時間の流れが、ある場所では止まっており、またある場所では逆流、或いは流れたりと
仕掛けが施され、訪れた者の時間軸を狂わせる。
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ナ行
- ■ナイア
- クーダル帝国南西部の温泉街。ラヴィランカまではここからクエラで数日の距離。
- ■人形師
- 影糸術や鏡移術を使って、人間の影から
その魂を入れた人形を作る魔性たちの事。
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ハ行
- ■白霧の谷
- 年に4度魔によって贄を求める霧が発生する谷。
- ■破妖剣士
- 浮城における唯一魔性の命を奪える者たち。魔性の命を啜る破妖刀を使い、
魔性による事件を解決していく。破妖刀に選ばれない限りなることはできない。
- ■破妖刀
- 魔性に強い恨みを持つ者が鍛えたこの世で唯一魔性の命を糧にする、生きた武器。
意志を持ち、持ち主を選ぶ。数は少ないが、刀剣の他にも斧など様々な形状の刃物がある。
持主が死ぬと、知らず浮城に帰ってくる。
- ■ヒスリア
- ガンディアの王都。
有名な青月の宮がある。
- ■貧乏籤
- ラスの周りにいる友人達が引いてしまう率先しては行いたくない事。
破妖世界ではこの他正直な若者が魔性絡みで必ず引いては嘆いている。が、
その明るさで切り抜けていける者だけがより多く引いていたりする。
- ■封魔具
- 捕縛師が持つ魔性を封じる事のできる道具。使い手によって様々な物がある。
- ■浮城
- 白砂原の中心浮かぶ、対魔性組織。無償とはいかないが、人間が唯一魔性の事件に対して
希望を見出せる機関。しかしその運営費は組織の人間育成等と莫大で、
大国がその費用を出資する代わりにその国を最優先に救出するという現状がある。
城長を含め、破妖剣士、捕縛師、魅縛師それぞれの長が話し合いで運営している。
- ■ベティッツ料飯店
- シェスカリの街に在る酒も料理も評判の店。ただ、ゴロツキが多く、
ラスを誑かす輩に雷が落ちた。
- ■へトル
- 根の太い強靱な雑草の一種。ラスが浮城の畑に生えたこれを抜くのに苦労した。
- ■捕縛師
- 魔性を捕らえる事のできる者たち。魔性の命を物質に封印し、浮城で保管する。
捕らえ方は様々で、その者の封魔具による。魔性によってはその後護り手になる者もいる。
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マ行
- ■魔性
- ガンダルース大陸に生まれる、全てにおいて人とは異なる生き物。
五人の妖主によって五つの勢力に分かれている。
核と呼ばれる心臓に人よりも長い生命を持ち、頑丈にして精神も図太い。
一般的に魔性は口が上手く、自分勝手で、仲間意識が薄く、主人に忠誠を誓い、人間を嫌う。
更に、強い者程尋常でない美貌、命数と量りしれない精神構造を持っている。
思いの強さが力の強さに比例する生き物。
しかし今だ何故存在しているのかは不明。人と違い転生はできない。
人が捕われるとその魔力に自我を失うこともある。
- ■魔性名
- 魔性にとって名前は、命、プライドに深く関係している。存在そのモノであり、性質を表わしている。
真実の名を他者に知られる事、呼ばれる事を嫌い、許さないが、
強者に呼ばれる事は絶対服従を意味する。
また、人間とのハーフにつける魔性としての気質を制御するための名前のこと。
- ■護り手
- 浮城における仕事上のパートナー。浮城側についた魔性のこと。
一人前の使い手は全て護り手と契約して初めて、事件の依頼を受ける事ができる。
一般的に魅縛師が捕らえてきた魔性で、ほとんどは妖鬼。
浮城の住人と護り手は仕事を超えて深い繋がりを持つ事が多い。
出奔すると契約違反で罰が待っている。
- ■マユ
- ガンディアの国境近くの小さな街。セスランの母が魔性退治に出かけた先。
- ■万年青年捕縛師
- セスランのこと。
- ■魅縛師
- 浮城で魔性を魅了し捕らえる事のできる唯一の存在。
魅縛の方法は歌、声、楽器の音色、踊り等様々で、特に瞳だけで魅了できる者は
魅了眼の持主で希少。修行して魅縛師となるが、幼少の頃から何かしらの
素質を持っていた者がほとんど。
- ■魅了眼
- その瞳だけで、人、魔性等関係なく、自らの虜にしてしまう魅縛の瞳の事。
魔性では黄金の君がこれに当たるが、人のうちにも稀にとても強い力を
持っている者がある。
- ■夢酔花
- 幻覚を見せて人間を喰らう妖樹。
- ■村
- 名称、所在地一切不明の外界と断絶された村。
20年に一度、赤い神に赤い印のつく一族の娘を生贄に捧げるという祭を行う。
ラスが迷いこみ、シルヘに出会う。
- ■メレディア
- 北北西の転移門から一番近い国。気候が穏やか。
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ヤ行
- ■野菜畑の手入れ
- 浮城内での当番のひとつ。水を撒いたり、茎が折れないように世話をする。
年に一度の雨期には雑草の駆除も。ラスが「柘榴の影」時に当番だった。
- ■ユーカリ
- 鼻風邪に効果的な植物。ラヴィランカでは魔除けに用いられる。
- ■ユラク
- 大国ゼラスに国境近い自治都市。北方。ザハトが住んでいた街。
- ■指輪
- セスランの母の形見。いつも左手の中指につけている。
祖母スフライーンの持ち物として有名で、彼女が一人立ちする娘に持たせた。
銀に青玉をはめ込んだ品の良い指輪。露店商からラスが買い戻した。
- ■妖鬼
- 魔性のうち、小鬼よりやや人の形に近いモノたち。
妖貴とはかなり力が離れているが、小鬼よりも知能が高い。力を求めて人肉を
食す。二、三個の心臓に命がひとつずつ入っている。
- ■妖貴
- 世界で50しかいない漆黒を纏った魔性たち。彼らは魔性の中でもプライド、知能共に高く、
人肉を食す妖鬼小鬼を同種とは思っていない。どこからか生じて、
一番惹かれた主のもとに仕える。容姿の美しさは人のそれをはるかに超え、
力も尋常ではない。二、三個の心臓全てに無数の命を宿している。
個性的な者が多く、主人の意向に背かぬ程度には自分の欲求のために行動する。
人を玩具とみなしてその力で様々な遊びに興じる。
- ■妖主
- 世界で5人しか存在しない、黒以外の色を纏う魔性の中の王たち。
妖貴を更に凌ぐ力と美貌を兼ね備え、その思考回路は人間の想像を超えた所にある。
最も長命な黄金の君をはじめ、柘榴、翡翠、紫紺、白焔と、それぞれが
その二つ名通りの色と、関係の深い種類の魔力をふるう。
三、四個の心臓全てに限り無い命が詰まっている。
普段は何人もの妖貴を従えて、それぞれの城にいる。
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ラ行
- ■ランティスの都
- ランティス皇明暦448年春、滅びかけた国に柘榴の妖主がへそを曲げ、
白焔の君が弄び滅亡に至る。王都ティンダ。
- ■ラヴィランカ地方
- クーダル帝国西端の地。クエラで帝都から半月弱かかる。サティンが鎖縛と仕事で赴いた。
昔国であった頃、柘榴の君が自身の遊び場を他者に知らしめるためこの地の民に文様を
伝授し、他の魔性の干渉を防いだ。
- ■璃岩城
- 地底に輝く水晶等でできた巨大な紫紺の妖主の居城。
- ■リッツの踊る猫亭
- シェスカリの街でラスが泊まった宿屋。
- ■リディンの街
- 北部山岳地帯にある温泉街。重曹泉。
ラスとセスラン、サティンが長期休暇で赴いた。為替商がない街
- ■リャン
- かつて栄えた東方の大国の名。乱華が緋陵姫と住んでいた屋敷の様式。
- ■緑林棟
- サンザに在るウルガの家族の住まう傭兵集団の住処。
緑林とは盗賊の事。主人を定めず、誇りも持たず、金で命のやり取りをする事から
盗賊に近いと皮肉を言われ、そのまま命名。
- ■リリム・アスラ
- 無法の街として名高い。イリアという少女が迷いこみ、ラスと出会った。
- ■霊辿
- 人間でも限られた血筋の者にしか使えない特殊能力。
冥路を見失った魂の行方を遺体に触れる事で辿り、読み取りして正しい道を指し示す力。
- ■レント王国
- 大陸北北西に位置する国。魔性を飼っているという噂が在る。
未婚の女性は男性と同席してはいけない風習が在る。
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ワ行